ジャッジしない心

訪問介護の仕事をしていると様々なお客様に出会います。

その方の家に上がり仕事をするわけで、プライベートな空間が丸見えになってしまいます。

玄関、リビング、お風呂、トイレ、調理もすることがあるので冷蔵庫の中など。

住んでいる家からその方の価値観が伝わってくるものがあります。

世界中を旅して買ってきた思い出のお土産がたくさんある方。

仕立て屋さんに頼んで服を仕立ててもらい、それを修理しながら大切に着ている方。

50年以上前に結婚するときに持ってきたタンスを毎日拭いてピカピカにして大事に使っている方。

物を愛して、思い出と共に大切にしている方のお話を聞くと心が豊かな気持ちになります。

反対に、所狭しと物に溢れ、床には埃が積もっている方。

壊れた家電製品が転がっていたり、ゴミは分別もされておらず溜まっている方。

お金が床に落ちていることもしばしば見かけます。

このようなお宅にいくと正直、疲れます。

家の中が綺麗、汚い。

物が整理されている、物が溢れかえっている。

冷蔵庫の中に必要な食材が適度に入っている、奥に何があるかわからないまでパンパンに詰まっている。

これらはほんの一例ですが、価値観の違いを大きく感じます。

ただ、その方のお宅なので当たり前ですが勝手に物を捨てたりは出来ません。たとえ、明らかにもう履けないような壊れた靴があったとしても許可がないと、捨てられません。

もちろん仕事の上で必要なことはお伝えします。

賞味期限が切れているから処分しましょうか?とか、壊れているから捨てませんか?

などこちらから提案することはしますが、決めるのは本人様。

私は「不要なものは手放して、今使えるものを残したらいい」と考えるタイプですので、「捨てないで取っておいて」と言われると「なんで捨てないんだろう」と頭の中がハテナになります。

ここで、自分と違う価値観を感じた時に、ストレスを感じます。

お客様には言いませんが頭の中では「使いもしないのになんでも取っておくから、物で溢れかえるんだよ。捨てればいいのに。」

と相手を責めるようなことを考えていました。

顔では笑顔だけど、心では相手をジャッジして責めている自分がいました。

自分に嘘をついているからとても疲れます。

ですが最近ある本がきっかけで、私の中にこの「ジャッジする心の癖」があることに気づきました。

そこに書いてあったのは、

ジャッジしていると自分のエネルギーを無駄に使ってしまい疲れる

本当にそうだなと思います。

まるで自分が正しい。私が正解と言いたげな上から目線で物事を見ていた自分に気づきました。

自分の価値観と人の価値観が違って当たり前。そんなことに改めて気付かされたのです。

それからは、この方にとってはこれが心地いいんだな。これが普通なんだ。とありのまま見ていくことで、面白いほどに疲れないようになったんです。

違うなと感じても、ジャッジをしない。それかジャッジした自分の心に気づく。
あっ!またやっている、やめよう。

これだけで随分楽になりました。

金子みすゞさんの有名な詩『私と小鳥と鈴と』の中に
「みんなちがって、みんないい」

というフレーズがありましが、その考え方は私の心をほぐしてくれて人を受け入れる器を大きくしてくれるように思います。

未熟者の私の、大きな気付きの一歩でした。

人と関わる仕事は自分を見つめるきっかけにもなります。

いい仕事させてもらっているなと今日もまた感じました。

ありがとうございます。

皆様にもたくさんの笑顔と幸せが溢れますように😃

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